Mt. Goxの倒産の件など、何だか怪しいと巷では思われているブロックチェーン、でもそれはbitcoinとブロックチェーンを取り違えています。
The Truth About Blockchain
ブロックチェーンは一部では「破壊的」と言われていますが、そうではありません。もしかすると社会インフラになる可能性がある技術です。と言われても、一体どんな技術なのか、本を読んでも難し過ぎて良く分かりません。
今日は、その技術的な内容よりも、ブロックチェーンがどのように社会に影響を与えるようになるか、その可能性の方を紹介します。
社会インフラになる技術がどう浸透していくのか、TCP/IPで説明する4つのパターン
ここ最近で、私たちの生活を全く変えてしまったインフラ技術は、恐らく携帯とインターネットだと思います。インターネットの基盤は、TCP/IPというそれまでになかった技術が使われています。
それまでは、サーキット・スウィッチング(circuit switching)という技術がベースになっていました。1対1でまず回線を確保して、情報を交換するというものです。
TCP/IPは、データを細かいパケットに分割してやり取りする事で、プライベート回線も巨大なインフラ装置も不要になりました。中央監視や制御も無く、公共のネットワークをシェアするオープンなシステムです。
そのTCP/IPが採用されるには、4つのパターンがありました。
パターン1:single-use
単純な技術としてTCP/IPは、ARPAnet(米国国防省のネットワークで、のちに民間にも開放されてInternetになります)の電子メールに採用されました。
パターン2:localization
1980年代から1990年代にかけて、SunやNext、Hewlett-Packard、Silicon Graphicsといった会社で企業内のネットワークに採用されました
パターン3:substitution
1990年代の半ばに、Webが一気に世界中で使われるようになりました。そうやって安いコストのインフラが出来上がると、ニュースオンラインのCNETや書籍販売のAmazon、航空券のPricelineとExpediaなどが出てきました。
パターン4:transformation
更に次の世代の企業は、根本的にアプリケーションを変えていきました。オークションを通してものを交換するeBay、Napsterは音楽産業を変え、Skypeはテレコミュニケーションを変え、Googleはウェブサーチを変えました。
ブロックチェーンが採用され、社会に浸透していく予想
パターン1のsingle-useはbitcoinによる支払いでしょう。パターン2のlocalizationにはプライベートなネットワーク上に複数の組織が分散型の帳簿でつながっているような使い方が挙げられます。
パターン3のsubstitutionは、bitcoinで支払う小売り用のギフトカードなどが考えられます。最後のパターンのtransformationは、自発的に実行するスマート契約です。これが実現したら、伝統的な会社の構造やプロセス、そして仲介役となる弁護士や会計士はどうなってしまうのでしょうか。
HARVARD BUSINESS REVIEW JANUARY-FEBRUARY 2017
The Truth About Blockchain
by Marco Iansiti and Karim R. Lakhani
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