脳の機能から柔軟性のあるシステムを考えます
変わりゆく環境に対応するために、求められるのは柔軟性
いくらかつて大成功したからといって、1つのやり方に固執すると生き残れません。ビジネス環境はどんどん変わっていくからです。
柔軟に対応していくことが求められます。日本社会は変化を厭い変わらない文化です。しかし、毎度毎度の外圧、さらには今回のコロナのような大きな環境の変化は避ける事は出来ません。
どうすれば良いのでしょうか?そのお手本は最も身近なところにあります。私たちの脳です。
脳の機能から、柔軟性を学ぶ
若い人には信じられないかもしれません。今から30年くらい前、日本が絶好調の時代が有りました。その頃のアメリカは落ち込んでおり、日本的経営を盛んに研究していました。
アメリカにて産業の象徴だった自動車は、日本車が圧勝しました。その原動力の1つがトヨタ生産方式です。これも熱心に研究されました。
今日紹介する1994年にAOMに掲載された論文、『USING THE BRAIN AS A METAPHOR TO MODEL FLEXIBLE PRODUCTION SYSTEMS』では、その特徴を柔軟性としています。そして、柔軟な製造システムを作り上げる方法の研究成果がこの論文です。
論文では、脳を柔軟性のメタファー(比喩)として理論を展開しています。大きな要素は以下の7つです。
- Multi-Channel Mapping sticky dataの問題を克服
- Isomorphic Mapping 内部の多様性で環境の複雑性に合わせる
- Dynamic Networks 変わり続ける顧客の欲求を柔軟に対応
- Modularity 多品種製品を素早く製造
- Shared Division of Labor 自己組織化で階層型への要求を減らす
- Tuning 顧客の変化するニーズ対応して製造プロセスを継続してモディファイする
- Updating of Routines and Competencies 環境の変化に対応してシステムを進化させる
Multi-Channel Mappingは脳とコンピュータの最大の違いである並行処理のことです。ちょっと言葉が聞きなれないIsomorphicとは、辞書を引くと同形とか同一構造の、という意味のようです。反対がHomomorphicとあるのですが、辞書を引くとこちらも「同形の」となっていてよく理解できていません。この辺は、もう少し時間をかけて理解したいと思っています。
日本復活の鍵も柔軟性
今日は、脳をメタファーとして説明に利用した柔軟性のある製造システムの考え方を紹介しました。
この論文が発表された1年前に日本はバブルが崩壊、長い長い低迷期に入ります。この後アメリカはITで復活します。
「驕る平家は久しからず」の通りこのまま没落していくのか、「日はまた昇る」のか、日本復活の鍵も柔軟性にあると思います。
参考文献
Raghu Garud, Suresh Kotha,1994, "Using the Brain as a Metaphor to Model Flexible Production Systems"
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