イノベーションが生まれるまでの過程を研究し、どこに阻害要因が有るのかを見つけます
フェーズに区切るのは、プロジェクトマネジメントの基本
プロジェクトマネジメントでは、長い期間だとフェーズに分割して管理します。その方が今やっているタスクのゴールが明確になり、また全体から見てもどれだけ進捗しているのか把握しやすくなります。
イノベーションも形になるまでにはフェーズがあります。複数のフェーズで、そのどこかに問題があるとイノベーションは生まれにくくなります。
今日は、イノベーションのフェーズについての考え方を紹介します。
イノベーション創出までの、3つのフェーズ
イノベーションに重要なのがアイデアです。最近、『アイデア資本主義』という本を読んでアイデアの重要性を再認識しました。
では、日本企業がイノベーションを生み出せないのはアイデアが無いからでしょうか。一概にそうとも言えません。2007年にHBRに掲載された論文『The Innovation Value Chain』 によると、イノベーションには以下の3つのフェーズがあり、そのいずれかに問題がある場合には、イノベーションは生み出せません。
- アイデアを生み出すフェーズ(アイデア・ジェネレーション: Idea Generation)
- アイデアを製品にかえるフェーズ(アイデア・コンバージョン: Idea Conversion)
- アイデアを広めるフェーズ(アイデア・ディフュージョン: Idea Diffusion)
日本企業の問題点が、自由にアイデアを出せないのかもしれませんし、もしかしたら、意外と企画は斬新でもそういう企画はアイデア・コンバージョンフェーズで潰されているのかもしれません。
アイデアを生み出す点に問題がある企業の対応案は、外部とのネットワークを強化するか、社内で部門横断のネットワークを作るかの2つです。
製品化に問題がある企業への対応策は、社内で部門横断のプロジェクトを起こして独立して予算を付ける制度が有効です。
やはりサイロ化がイノベーションを阻害する要因なのは間違いないので、それを破る施策が有効なようです。
イノベーションが生まれないのは、よっぽど変えたくない力が働くのか?
今日は、イノベーションを実現するまでの3つのフェーズを紹介しました。
全てのものは変化する、というのは万物不変の法則です。なのに、なかなか変われない日本企業、よっぽど意識上でも無意識でも維持しようという力が強いんでしょうね。
参考文献
Morten T. Hansen, Julian Birkinshaw,2007, "The Innovation Value Chain"
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