学習する組織を築く方法です
日本企業が、テレワークから学んだことは?
2022年が始まりました。また、コロナ禍で2年目の正月でした。2020年の正月は、中国で感染病が流行っているとニュースになっていたのを思えば、時が経つのは早いものです。
コロナの影響で、日本企業やサラリーマンの働き方は変わったのでしょうか?
あれほどラッシュに文句を言っていたのに、テレワークが合わずに出勤するサラリーマンも多いように思います。
困るのは、「テレワークは日本人の働き方に合わない」としたり顔で言う人です。 全てのものにはメリット・デメリットがあります。そういう安易な感想ではなく、体験から学んでより良い働き方にしていくべきですね。
プロジェクトでは、2つのPDSAサイクルを回す
組織の分業化が進むと、サイロが高くなり硬直化してしまいます。個人の持つナレッジが組織に活かされず、結果として全く成長しない、ただルーチンを繰り返すだけの組織になってしまいます。
1999年のProject Management Journal掲載の論文『A Learning Framework for Project Management』 では2つのPDSAサイクルを提唱しています。PDSAとは
- Plan(計画)
- Do(実行)
- Study(学習)
- Act(行動)
馴染みのあるPDCA(Plan - Do - Check - Act)に対して、CheckがStudyに変わっています。内容を読むとほぼ同じ意味でした。
また、学習はPMBOKに出てくるLessoned Learnedと同じです。日本では、教訓という堅苦しい訳のせいで現場から遠ざけてしまった感があります。
ここで重要なのは、PDSAサイクルは2つある、と述べている点です。多くの人が思い浮かぶのは、プロジェクト終了時のレビューでしょう。ここで確認した学習結果を次のプロジェクトに活かす、というサイクルでしょう。論文ではこれをInterprojectと呼んでいます。
もう1つがIntraprojectと呼ばれている、プロジェクト期間中に回すPDSAサイクルでしょう。これはなかなか難しい印象がありませんか。「ただでさえ忙しいのにそんな事やってる余裕が無い」と思いがちです。実際、論文中の調査でも、期間中に意識しているプロジェクト・マネジャーは殆どいません。
しかし、プロジェクトの終了にのみStudyをやることは、人間の傾向としてより終わりに近い出来事の方が印象に残りやすいため、バイアスを冗長しやすいデメリットがあるそうです。
【interprojectとintraprojectの2つのPDSAサイクル】
官僚主義的分業は、不確実性の現代では生き残れない
今日は、組織のサイロ化を壊すナレッジを個人から引き出し共有する方法を紹介しました。
今までコンサルをした企業はほぼ全てこの問題に苦しんでいました。官僚主義的な分業は安定した拡大再生産には有効と言えても、不確実性の現代では生き残れません。
個人個人が持つナレッジを活用して、組織の活性化を図ってください。
引用した論文
Tim Kotnour, 1999, "A Learning Framework for Project Management"
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