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クライエントに対する信頼 - カール・ロジャーズを探して(2)

産業カウンセラーなら必ず学ぶ傾聴。それを唱えたカール・ロジャーズの意図と、彼が提唱した「クライエント中心/個人中心」とは何だったのでしょうか?

 

カウンセリングには、色々な派閥がある

カウンセリングには、技法や理論により色々な流派というか派閥があります。本当のところ、色々あり過ぎて困ってしまいます。

 

ウェルビーイング・プログラム」を企画中に、それぞれの技法の特徴を再学習するために、久しぶりにカウンセリングに関する教科書や基本的な本を読み直してみました。

 

クライエントを信頼する、唯一のカウンセリング

産業カウンセラーの養成講座では、傾聴を練習します。ロジャーズの説いたテクニックとして、「できるだけ患者に干渉せず指示をしないように、言った事を鸚鵡おうむ返しにする」と覚えました。技法としては「なんだ、それだけ?」というアッサリしたものでした。

 

しかも、クライエントは悩んでいるだけで考えもまとまっておらず、矛盾していたり、同じ事を何度も言ったりという感じで、全然前に進みません。それでも、我慢強くクライエントが自ら気づくまでひたすら話を聴き続ける、そんな印象も持ちました。

 

これは私だけではないと思います。今主流の多くの技法は、「そんな事より問題を解決した方が現実的でクライエントの為になる」と実用性をアピールし、実際、勢いもあるように思います。

 

今回、初めてロジャーズの本を読んでみて、彼が「クライエント中心/個人中心」と呼ぶカウンセリング技法について語っている箇所には、大変驚きました。

 

個人中心のアプローチがその人への基本的な信頼に基づき成り立っているのは、実践や理論、研究から明らかだ。これは恐らく他と違うもっとも明確な点でもある。私たちの文化では、ほとんど全ての教育、政府、ビジネス、多くの宗教や家庭生活、精神療法は、人を疑う事が基本となっている。ゴールがセットされなければならない。なぜなら、その人に合う望みを選ぶことに対して無能だと考えるからだ。それらのゴールに向けて、決められた道を通ってガイドされるべきという事になる。先生や両親、監督者は、ゴールに向けて確かに進捗しているとわかるように、プロセス(つまりは試験や検査、調査)を確立させなければいけない。個人は、罪深いか破滅的か、怠惰か、あるいはその全てを備えているかと見られ、絶えなく見守る必要があると考える。

個人中心主義は、正反対に、自己実現の傾向を持っているという考えに基づいている。成長しよう、開発しよう、持てる才能を全て開花させたいという傾向である。このやり方はより複雑で完全な開発へと向かわせる、建設的で直接的な人類の流れである。解放したいと願う方向の流れである。

抄訳です

 

信頼されている雰囲気の中で、話して見ませんか

どうしてここまでクライエントに対する信頼を持てるのか、どうしてここまで言い切れるのか? 「単なる鸚鵡返し」と表面的に理解していたカウンセリングを、もっと深めたいと考えました。

 

クライエント中心/個人中心アプローチのカウンセリングに興味が湧いた方、是非、ビズフォリオの『ウェルビーイング・プログラム」を申し込み、カウンセラーに話をしてみてください。ロジャーズが望んだように、悩みを解決し、人間的に成長する心がきっと生まれるはずです。それはカウンセラーも一緒です。共に成長していきましょう!

 

ロジャーズの考えに興味があるなら、これもおススメ!

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今日紹介した本です

翻訳本は上下2冊に分かれるようです。

    

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