厳格な家庭で育ったロジャーズの、とても「子供らしくない」唯二の楽しみとは?
子供とは思えないロジャーズの趣味
自身の人生を語った「This Is Me」を読むと、彼は相当変わった家庭で育った事が分かりました。
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殆どの人が「耐えられない」と思う厳格過ぎるその生活を、ロジャーズは特に「恨みつらみ」を書いておらず、淡々と記述しています。
労働を尊ぶ両親の方針のせいで、普通の子供が楽しむ遊びや娯楽が周りに全く無く、毎日労働の日々の中で彼が見つけた2つの楽しみも随分と変わっています。
自然に関連する2つの興味が、科学的アプローチへとつながる
労働ばかりの少年時代にロジャーズが興味を持ったもの、その1つが、夜行性の蛾です。ジーン・ストラットン・ポーターの本がその頃流行っていたそうです。森に住む蛾に詳しくなります。更に、長い冬の間、繭を育てて観察する事までします。「自然を観察しようとする科学者の喜びとフラストレーションが分かった」と言っています。
もう1つが、科学的農業です。もともとは、購入した農場を科学的農業で運営しようと父親が沢山の本を購入したのがきっかけです。とても14歳の少年には難し過ぎる本を読み、実験を繰り返して農法を完成させます。
ロジャーズは、「仮説を試すのがいかに難しいかを学んだ。実務への試みの分野において科学的な手法の知識とそれを尊重する事を修得した」と言っています。
大学入学前に、科学的アプローチを学んだ
大学入学前に、ロジャーズが既に科学に親しんでいた事が分かります。「人間の心」という最も未知のものの1つに取り組みだしたときに、少年時代に学んだ仮説ー検証という科学的アプローチをとったのではないかと容易に推測されます。
しかしロジャーズは、自身が取ったと思われる仮説ー検証の技法自体は全く強調していません。科学的アプローチでは、「どんなカウンセラーがクライエントに接しても、同じ結果になるべき」となります。彼はそれを嫌ったように思えます。
もう少し「This Is Me」を読み進めていくうちに、その辺りの記述が出てくるのか、楽しみです。
通常の娯楽の代わりに、楽しみながら科学的手法を学ぶ
「娯楽を否定し、労働を尊重する変わった生活」と言っても、「虐待されて育った」とか「赤貧で全く余裕がなく日々の労働が全てだった」と言うわけではありません。その辺が、キーのように思えます。そのおかげで、普通の子供が体験する娯楽の代わりに、科学的手法をむしろ楽しみながら学びました。
どうでしょう、ロジャーズの「人間を絶対的に尊重する」姿勢、その一端が少年時代に見つかりましたでしょうか?
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翻訳本は上下2冊に分かれるようです。題名を明らかにしてませんが、話の内容からジーン・ストラットン・ポーターの本は「リンバロストの乙女」だと思います。
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