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前例があっても問題にならないほどコンセプトを洗練させる - キュレーターに学ぶ企画力(5)

 

アイデアは形にしなければ、誰にも知られません

「陽の下に新しきものなし」の世の中で、新しい企画を考えるには?

聖書の有名な文言に、「陽の下に新しきものなし」というのがあります。

 

企画を考えてて調査をすると、ちょっとググっただけで似たようなのが溢れる程ヒットします。それだけで、せっかく思い付いたアイデアを諦めて良いのでしょうか。

 

今回からは、アイデアを形にするプロセスを紹介します。

 

主題に対する独自の視点や角度を裏付けする理論、研究、根拠、そして正当性を備えておく

ここからは、いよいよアイディアを具体化していきます。まず、コンセプトが決定したら、展覧会の概要を文書化します。

 

この時に気になるのが既に同様の企画が無いか?という事だと思います。二番煎じは絶対に避けるべきです。

 

重要なのは、全てにおいて今までに類似が無いほど斬新である必要はないという事です。むしろ、同様の展覧会が既に行われていれば、ある程度近いニーズがあることが確認できます。対象の展覧会を研究して、オリジナリティ(価値)がだせるようにコンセプトをブラッシュアップしていけば問題ありません。

展覧会の前例があったとしても、それはさほど大きな問題ではない。ただ、キュレーターは企画がユニークなものになるようコンセプトを洗練させなくてはいけない

企画というのは、内容よりも「誰が企画したか?」が意外と効くことも多いのは事実です。自分に実績がない場合は、以下の2点を信じてもらうように努めなければいけません。

  • プロジェクトが遂行できるというスキルと能力があるということ
  • その企画の批判的な価値と財政的な利益

 コンセプトの洗練に、重要な教えです。

キュレーターは自信をもって主題に対する独自の視点や角度を裏付けする理論、研究、根拠、そして正当性を備えておかなければいけない

引用は全てエイドリアン・ジョージ『The Curator's Handbook

「ユニーク」という意味を、考えさせられる

今日は、コンセプトを形にしていく最初の一歩を紹介しました。「ユニーク」という意味を考えさせられます。

 

この辺は、ビジネスでも同じだと思います。イノベーションの多くは、既に類似の商品・サービスがあるのにもかかわらず、圧倒的にユニークな特徴があります。「誰でも考えようと思えば可能性はあったのに、誰もが思いつかなかった」というのが優れたイノベーションです。

 

次回も、アイデアを形にしていくキュレーターの仕事の続きを紹介します。

 

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