The Nightfly
Donald Fagen ドナルド・フェイゲン
「音が良い」というのは不思議な感覚です。確かに、テクノロジーが未熟な頃は、録音技術などが進化するたびに新しいレコードの音が良くなったと感じた時期があったと思います。例えば、BeatlesのファーストアルバムPlease Please MeからラストアルバムのAbbey Roadまで順に聴いて行くと、どんどん音が良くなっているのがはっきりと分かります。Please Please Meを聴くと、明らかに帯域が狭い変な音です。恐らく、録音機器の制約から高音部や低音部なりがカットされてしまった事の影響なのでしょう。
発売当初、1曲目の I.G.Y.のイントロを聴いたときに、ここまでレコードの音が良くなったのかと感動しました。しかも既に30年近く経ったいま聴いても、「音がいいなあ」という感想が出てきます。今のアーティストが発売するアルバムを聴いてもこんな感想は出てこない、一体、「音が良い」と思う感覚は何なのか分からなくなります。
I.G.Y.に始まり、軽快なリズムのGreen Flower Street、ドゥーワップ調のRuby Babyに続き、昔でいうA面ラストのMaxineになります。スローなバラードで、Donald Fagenの多重ボーカル、間奏のMichael Breckerのテナーも素晴らしく、このアルバムのハイライトです。
人は、ほんのちょっとしたエコーの具合とかピッチとか些細な所に「音の良さ」を感じるのかもしれません。このアルバムはそういう所に尋常でなく気を使ったアルバムなのかもしれないです。自分的な「音が良い」アルバムNo.1の座はこれかRoxy MusicのAvalonかという感じです。たとえデジタル録音が10万ビットになったとしても、この先恐らくその地位は不動でしょう。
ちなみに、タイトルの意味を「夜のフライト」と誤解してました。本当は、「蛾」だそうです。
音が良いアルバムに興味があるなら、これもおススメ!
関連記事:バハマで録音したら、「トロピカル?」って言われたのが逆に新鮮。
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