紅茶の作り方である「発酵」について、詳しく解説します
紅茶の誕生は諸説あり
何回かご紹介しているように、紅茶の誕生は諸説あります。
「中国からお茶を運ぶ際、烏龍茶が発酵して紅茶になった」という話を聞いた事がありますか。何となくありそうで、かえって嘘っぽい感じもします。
今日は、紅茶の製造方法である「発酵」を説明します。
お茶の発酵は、科学的には「発酵」ではなく「酸化」
紅茶は、お茶の葉を発酵させて作ります。「発酵」というのを正確に言うと、有機物に微生物が作用し、その結果として人間が利用できるようになった場合には「発酵」と呼ばれます。
実は、紅茶の発酵は微生物は関係しないので「発酵」とは違います。茶葉自身の酸化酵素の働きなので、科学的には「発酵」ではなく「酸化」です。
お茶の製造過程でいわゆる「発酵」と呼ばれる化学反応は、次の2通りあります。
1つ目は、紅茶、ウーロン茶とともに摘んだあとの茶葉の水分を飛ばし萎れさせるために1晩ほど茶葉を広げて干す作業(「萎凋」という)が行われます。これによって、茶葉中の成分が分解され、化学反応によって甘みや香りがよくでるのです。
(中略)
2つ目は、先ほどもお話しした茶葉を揉む工程(揉捻)です。ある程度、水分を飛ばした茶葉を機械や手で揉んでいきます。圧力が適度にかかることで、茶葉中のカテキンが酸化し、緑色から褐色に変化していくのです。
大森正司『お茶の科学』より引用
四国の碁石茶や、中国のプーアル茶のように、酸化させた後に本当に発酵させるお茶もあり、後発酵茶と呼ばれています。
紅茶の製造過程は複雑、その色や味も繊細
今日は、紅茶の製造方法である「発酵」について話題にしました。
一般的に「発酵」と呼ばれているお茶が、実はザワークラウトや漬け物などの発酵食品とは異なることがお分かりいただけましたでしょうか。
『お茶の科学』を読んでいると、紅茶の製造過程はかなり複雑ですし、その色や味も繊細です。今度紹介したいと思います。
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