マインドフルネスやその先のエンライトメントは、どのように脳を変えるのでしょうか。
瞑想が脳に与える影響について、脳科学の研究
前回は、エンライトメントを得たブッダの最期を紹介しました。
分厚い雲のような神格化の隙間から垣間見ることができた生身のブッダは、エンライトメントを得るのは何も超人になる事ではない、という事を教えてくれます。
これからは、2つの視点でエンライトメントへの道を探っていきます。一つは何を悟ったのか?ブッダの教えから見ていきます。
二つ目は、脳科学の面からです。エンライトメントを得る事、あるいはそれに至る方法であるメディテーション(瞑想)等のマインドフルネスが脳に与える影響の研究結果があります。
40分以上の瞑想で、脳に顕著な変化が現れる
エンライトメントと脳の関係を研究したAndrew NewbergとMark Robert Waldman の本「How Enlightenment Changes Your Brain: The New Science of Transformation 」に、マインドフルネスが脳に与える影響が書かれています。
人間の脳は、ほとんどまだ何も分かっていません。現在は、脳の各部位がどのような機能を担当しているかという大雑把な把握と、どの部位が活発に活動しているかを測定して特定する、等が可能です。
本の中では、瞑想中の脳波を測定した結果を説明しています。
目を閉じてリラックスし、自分の考えや感情をただ観測するとは、以下が大体典型的なパターンです。
- 息に注目する。気分は良い。次にどうなるか期待感がある
- 雑音を聞く。心が乱れていると気づく。あくびが気持ち良い
- 背中が痛い。何も起きない。正しいやり方なのだろうか?
- もっと重要な他のことがしたい
- これは本当に気分が良い。退屈。おおっ!掴みかけた
- まさに気付いた。気持ちを落ち着ける。自分が自分の考えじゃない
- ワオ!
この自由連想のプロセスでは、前頭葉と頭頂葉の活動が最初は活発になります。十分な長さ(私たちの研究では、約40分から60分くらい)まで続けると、前頭葉と頭頂葉の活動が突然落ちます。この時、平和、明瞭な心、フロー、統一といった顕著な感覚を感じます。これらはエンライトメントの特徴です。
「How Enlightenment Changes Your Brain」の抄訳です
彼らは、前頭葉と頭頂葉の活動の急な落下がエンライトメントに関係あると睨んでいます。研究結果では、脳の変化を起こすには、約40分以上のメディテーションが必要なようです。
健康のためには1日10分の瞑想でも効果が有ると科学的な研究結果もあるので、健康が目的なら10分~15分、エンライトメントに関心が有れば40分以上の瞑想に挑戦してみてください。
悟りは、前頭葉と頭頂葉の活動が急に落下する
今日は、エンライトメント時の脳の変化についての大変興味深い研究結果を紹介しました。
気を付けないといけないのは、たとえエンライトメントを得る時に前頭葉と頭頂葉の活動が急に落下する、というのが正しいとしても、必ずしも前頭葉と頭頂葉の活動が急に落下したらエンライトメントが得られるわけではない、という事です。とは言え、明らかに何か関係がありそうです。
彼らは、自分たちの研究成果から、エンライトメントへ至る5ステップの方法なども考えています。次回からは、もう少し詳しく彼らの研究を説明したいと思います。
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