ブッダが見つけた「人生はドゥッカ」、ドゥッカ」の意味をもう少し深く考えていきます
ドゥッカの哲学的な解釈
ブッダの最も初期の教えに、The Four Noble Truthsがあります。直訳すると4つの高貴な真実です。
前回で、その3つ目までの説明が終わりました。順番だと次は最後の4つ目ですが、あっさり4回で終わるのも面白くありません。ここはテレビドラマを真似て、これまで置いてきたいくつかの宿題を終わらせるため回り道をしていきたいと思います。
今回は、1つ目の説明で宿題にした、ドゥッカの哲学的な解釈です。
複数の感覚を意識が統合して、「私」を作り出す
ドゥッカの哲学的な解釈は、「個人や私という存在は、肉体的や精神力またはエネルギーの組み合わせに過ぎない」です。
5つもの様々な組み合わせでブッダはドゥッカを説明しています。まず1つ目は「Matter(物質)の組み合わせ」です。
伝統的な4大要素、固体と液体、熱、動き、そして、4大要素の生成物、それには感覚器官もはいります。目、耳、鼻、舌、そして体。それらの外部への反応は、目に見える形、音、匂い、味、そして目に見えるモノ、さらに、目に見えない心の中にある想いや考えなど、内外の物質のすべての領域が、物質の組み合わせに含まれる
「心の中にある考え」も「物質」と呼ぶのに疑問を覚えつつ、次の組み合わせを紹介します。2つ目は「Sensations(感覚)の組み合わせ」です。
目と映像、耳と音、鼻と匂い、舌と味、体と見えるモノ、心(Mind)と考え・想い・考えたモノの6つの種類がある
仏教では、心(Mind)は、目や耳と同列に扱うのが特徴的です。心と体と対比して考えません。前述の疑問の答えでした。
3番目が「Perceptions(感覚)の組み合わせ」です。2つ目に1対1で対応します。例えば、視覚は目と映像に対応します。
4番目が「Mental Formations(心の形作り)の組み合わせ」です。すべてのvolitional activities(意志の動き)が含まれます。Perceptionに対応して6つあり、その組み合わせは細かく52にも分類しています。
注目、意思、決定、信用、集中、知恵、エネルギー、欲望、嫌悪・反感、無知、うぬぼれ、「自分」という考え等、全てカルマの結果を生み出す
最後の5番目は「Consciousness(意識)の組み合わせ」です。
6つの器官と反応の組み合わせ。意識はモノ自体を認識できず、モノの存在を知る・気づく事しか出来ない
意識より前の段階で、波長が450-485 nm、周波数が620-680 THzの光が目に入るとそれを感じることができます。意識の段階で初めて「青色」と認識します。そして物質に相反する永遠に存在する変わらない「自己」や「魂」、「エゴ」は無いと言い切っています。
不安や心配に苛まれ、「人生はドゥッカ(苦しいことばかり)だ」と考えるのも、そう意識しているからで、そう意識すること自体がドゥッカという事でしょうか。私が存在しないというのはどうとらえればよいのか悩みます。
引用は全てWalpola Rahula 『What the Buddha Taught』の抄訳です
頭で考えたこのドゥッカの解釈が、「腹落ち」する状態がエンライトメント?
今日は、ドゥッカの哲学的な解釈を説明しました。
通常「苦」と訳されるドゥッカが実はどういうものなのか、ご理解いただけましたでしょうか。
恐らく、頭で考えたこのドゥッカの解釈が、「腹落ち」する状態がエンライトメントではないかと思っています。
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