幸せに関する世界中の人たちの考え方を、紹介していきます。今日のテーマはコミュニティと人間関係です。
コミュニティーと人間関係が、幸せに与える影響とは?
メーガン・C・ヘイズの『幸せに気付く世界のことば』では、幸せに関連する言葉を5つに分類しています。
前回は、「家と場」をテーマに紹介しました。
今回はその2番目、「コミュニティーと人間関係」をテーマに取り上げて紹介します。
共同体一人一人の幸せが、自分の幸せ
良い人間関係が幸福を作るのは、世界共通の認識のようです。幸福とは、人と人とがかかわり合うなかで経験するものです。
UBUNTU(ウブントゥ)はングニ・バントゥー語で、意味は「全ての人つなぐ一致団結の絆」です。IT関係者なら、UNIXのバージョンの1つに名前が付けられているので馴染み深いかもしれません。
アフリカ諸国では伝統的に人は一人で生きるものではなく周囲のコミュニティと分かちがたく結びついた存在と考えられてきました。コミュニティ全体にとって善なるものだけが個人にも善となるというのが、ウブントゥの考え方です。
まさにSDGsの「誰一人取り残さない」の考え方です。ただし、気を付けないと全体主義と誤解されそうです。
暑いアフリカの言葉を紹介したので、次は反対側の極寒の言葉を紹介します。
UNIKKAAQATINGIINNIQ(ウニカクラディジニーク)という長い暗号のような言葉はイヌイット語で、「共同体的な生活におけるストーリーテリングの力および物語の役割」という意味です。イヌイットのコミュニティで暮らす全ての人(若者から老人まで)に、世界の複雑さや人生の浮き沈みに対処するための知恵と教訓を授ける手段として、物語が尊ばれていることが分かります。人は同じ物語を聴いて一緒に笑ったり、泣いたり、深く心を動かされたりします。それがウニカクラディジニーニの力です。
物語りがいかに人の幸せに影響するかが分かります。
メーガン・C・ヘイズの『幸せに気付く世界のことば』から引用
民主主義の危機を、乗り越えるヒントが!
今日は、世界中の幸せに関する考え方から「コミュニティと人間関係」をテーマに、ングニ・バントゥー語のウブントゥとイヌイット語のウニカクラディジニークを取り上げて紹介しました。
現代は民主主義の危機と言われています。最も問題なのはやはり多数決でしょう。極論を言えば半分より1人が賛成ならば残りは切り捨て可能です。しかし、切り捨てられる人たち一人一人を知れば共感と思いやりが生まれます。そのヒントが今日の言葉にはあるように感じました。
次回は、幸せに関する言葉から「人格と心」をテーマに紹介します。
幸せに関する世界の言葉に興味があれば、これもおススメ!
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